●「特定技能」外国人を雇用するときにかかる費用(参考)

「特定技能」の在留資格を持った外国人を雇うのにどんな費用がどれくらいかかるでしょうか?

外国人の紹介手数料
  登録支援機関や人材紹介会社を活用する場合は、紹介手数料として、特定技能外国人の年収の20-30%または固定の手数料(10万円〜30万円)が1名採用ごとに発生。自社採用の場合は発生しません。

送り出し機関に対して支払う費用
  国外に在住する外国人を特定技能として雇用する場合。

・日本国政府と送り出し国(14ヵ国)各国との間で締結した、二国間協定(MOC)によって、送り出し機関を必ず通さなければならない国も存在します。

例:ベトナムの場合は特定技能外国人の給与額の1ヶ月〜最大3ヶ月分の手数料を徴収可能と規定されています。
これは、先に説明した二国間協定(MOC)に基づき、越労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局(DOLAB)がベトナム国内の送り出し機関宛に出した「日本への特定技能労働者提供契約と労働者派遣契約について」という通知にしっかりと明記されています。
人材の給与が20万円と仮定すると、最低でも20万円、最大で60万円もの人材紹介・手続き手数料を送り出し機関に支払う必要がある。
現状送り出し機関を必ず通さなければならない国としては、以下の4か国となっています。

フィリピン・カンボジア・ベトナム・ミャンマー

在留資格申請や登録支援機関に支払う費用
 ⑴在留資格認定・変更許可申請の費用
  a.特定技能における在留資格申請は、準備しなければならない書類の数が膨大かつ複雑なため、専門知識を有する外部の行政書士や登録支援機関に委託する企業が大半です。申請書類作成委託費用(在留資格認定・変更許可申請)の相場は、約10〜20万円程度。
  b.特定技能1号は5年間の在留期間がありますが、実際は毎年在留期間を更新しなければなりません。そのため、年に1度は、特定技能外国人の在留期間更新のための書類準備・作成・出入国在留管理庁への申請業務が発生してきます。
  こちらも、初見で自社対応するのはハードルが高いため、外部の行政書士や登録支援機関に委託される企業が多くなっています。その場合は、4万円〜8万円の費用が発生します。

事前ガイダンス・生活オリエンテーションの費用
 在留資格の認定・変更申請の前には「事前ガイダンス」というものを実施する必要があります。
また、在留許可後には速やかに「生活オリエンテーション」を実施することが求められています。
 どちらも法令で定められた内容(雇用契約や日本での生活上の注意点など)を外国人の理解できる言語(母国語)にて、所定時間を守った上で実施することが必須です。
 外部(登録支援機関等)に委託する場合は、それぞれ1,5万円〜4万円程度の費用が発生します。

義務的支援の委託費用
 特定技能外国人を受け入れる場合は、法令で定められた「義務的支援」を支援計画に基づいて実施する必要があります。(先にあげた事前ガイダンスと生活オリエンテーションも義務的支援の一つです。)
 この義務的支援に関しては、要件を満たした「支援責任者」と「支援担当者」の下で実施しなければならず、自社で要件を満たした職員を専任できない場合は、「登録支援機関」へ支援を委託することが可能です。
 登録支援機関に委託した場合は、特定技能外国人一人当たり2〜4万円の支援委託費が毎月発生してきます。


<国外在住者を採用する場合>
送り出し機関への手数料:20〜60万円
入国時渡航費用    :4〜10万円
住居の準備費用    :初期費用全般(住居の家賃により大きく変動)
人材紹介手数料    :10〜30万円
在留資格申請費用   :10〜20万円
事前ガイダンス等   :1.5〜4万円
入国後の生活ガイダンス:1.5~4万円
支援委託費用     :年間24〜36万円(一人当たり2〜3万円/月)
在留資格更新費用   :4〜10万円

合計 53万円~81万円(住居準備費用は含まず、支援委託費用は月割)


<国内在住者を採用する場合>
人材紹介手数料 :10〜30万円
在留資格申請費用:10〜20万円
事前ガイダンス等:1.5〜4万円
入国後の生活ガイダンス:1.5~4万円
支援委託費用  :年間24〜36万円(一人当たり2〜3万円/月)
在留資格更新費用:4〜10万円

合計 29万円~81万円(住居準備費用は含まず、支援委託費用は月割)


<技能実習2号から特定技能1号へ移行する場合>
在留資格申請費用:10〜20万円
事前ガイダンス等:1.5〜4万円
入国後の生活ガイダンス:1.5~4万円
支援委託費用  :年間24〜36万円(一人当たり2〜3万円/月)
在留資格更新費用:4〜10万円
当然ですが、人材紹介手数料が発生しません。
また、技能実習2号から技能実習3号へ移行する場合は、1ヶ月以上の一時帰国が義務付けられていますが、技能実習2号から特定技能1号へ移行する場合は特段一時帰国の必要はありません。

合計 19万円~41万円(住居準備費用は含まず、支援委託費用は月割)


<建設業で特定技能を雇用する場合>
人材紹介手数料 :10〜30万円
国土交通省申請費:4〜8万円
在留資格申請費用:10〜20万円
事前ガイダンス等:1.5〜4万円
入国後の生活ガイダンス:1.5~4万円
支援委託費用  :年間24〜48万円(一人当たり2〜4万円/月)
業界団体の年会費:24万円(JACの場合)
受け入れ負担金(JAC) :1.25〜2万円
在留資格更新費用:4〜10万円の費用相場

合計 58.25万円~104万円(住居準備費用は含まず、支援委託費用は月割)

建設業の場合は、出入国在留管理庁への申請前に国土交通省から許可を得なければならず、そのための申請書類作成費用等が別途発生してきます。
また、国土交通省が指定した業界団体へ加盟しなければならず、その団体ごとに年会費や月会費が発生してきます。

さらに、建設業の場合は、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)という団体に対し、特定技能1名あたり1.25万円〜2万円の受け入れ負担金も年会費とは別で毎月納める必要があります。この費用は、技能実習からの移行者や国外試験受験者などの特定技能外国人の資格取得経路に応じて負担金が異なってきます。

Follow me!