接待と遊興について

ここでは風営法的に「接待」と「遊興」とは何かを説明したいと思います。

そもそも「接待」ってなに?

「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと

「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」とは、営業者、従業者等との会話やサービス等慰安や歓楽を期待して来店する客に対して、その気持ちに応えるため営業者側の積極的な行為として相手を特定して、談笑・お酌等、踊り等、歌唱等、遊戯等、その他の興趣を添える会話やサービス等を行うこと。言い換えると、

特定の客又は客のグループに対して単なる飲食行為に通常伴う役務の提供を超える程度の会話やサービス行為等を行うこと。

「接待を行う」というのは、
営業者やその雇用している者に限らず、料理店で芸者が接待する場合、旅館・ホテル等でバンケットクラブのホステスが接待する場合、営業者との明示又は黙示の契約・了解の下に客を装った者が接待する場合等を含み、女給、仲居、接待婦等その名称のいかんを問わない。
また、接待を行う者が女性であるか男性であるかも問いません。

~具体例として~

1.談笑・お酌等
特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為」


これに対して、お酌をしたり水割りを作るが速やかにその場を立ち去る行為、客の後方で待機し、又はカウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為及びこれらに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為は、接待に当たりません。
客に継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為は、行為の主体者が客室内でする場合に限らず、カウンター内でする場合であっても接待に当たります。
ただし、どこからが継続しているとされるのか具体的な基準はありません。結果として歓楽的雰囲気を醸し出しているかが判断の重要な要素になります。

2.踊り等
「特定少数の客に対して、専らその客の用に供している客室又は客室内の区画された場所において、歌舞音曲、ダンス、ショー等を見せ、又は聴かせる行為」


これに対して、ホテルのディナーショウのように不特定多数の客に対し、同時に、踊り、ダンス、ショー等を見せ、又は歌若しくは楽器の演奏を聴かせる行為は、接待には当たりません。

3.歌唱等
「特定少数の客の近くにはべり、その客に対し歌うことを勧奨し、若しくはその客の歌に手拍子をとり、拍手をし、若しくはほめはやす行為又は客と一緒に歌う行為」


これに対して、客の近くに位置せず、不特定の客に対し歌うことを勧奨し、又は不特定の客の歌に対し拍手をし、若しくはほめはやす行為、不特定の客からカラオケの準備の依頼を受ける行為又は歌の伴奏のため楽器を演奏する行為等は、接待には当たりません。

4.遊戯等
客とともに、遊戯、ゲーム、競技等を行う行為」


これに対して、客一人で又は客同士で、遊戯、ゲーム、競技等を行わせる行為は、直ちに接待に当たるとはいえません。

5.その他の興趣
「客と身体を密着させたり、手を握る等客の身体に接触する行為」


これに対して、社交儀礼上の握手、酔客の介抱のため必要な限度で接触する等の行為は、接待に当たりません。
客の口許まで飲食物を差出し、客に飲食させる行為も接待に当たります。
ただし、単に飲食物を運搬し、又は食器を片付ける行為、客の荷物、コート等を預かる行為等は、接待に当たりません。


そもそも「遊興」ってなに?

~客に「遊興」をさせる行為の具体例として~

●不特定の客にショー、ダンス、演芸その他の興行等を見せる行為
●不特定の客に歌手がその場で歌う歌、バンドの生演奏等を聴かせる行為
●客にダンスをさせる場所を設けるとともに、音楽や照明の演出等を行い、不特定の客にダンスをさせる行為
●のど自慢大会等の遊戯、ゲーム、競技等に不特定の客を参加させる行為
●カラオケ装置を設けるとともに、不特定の客に歌うことを勧奨し、不特定の客の歌に合わせて照明の演出、合いの手等を行い、又は不特定の客の歌を褒めはやす行為
●バー等でスポーツ等の映像を不特定の客に見せるとともに、客に呼び掛けて応援等に参加させる行為

「遊興」に該当しない例
●一般的なカラオケボックスで不特定の客にカラオケ装置を使用させる行為
●カラオケ装置を設けるとともに、不特定の客が自分から歌うことを要望した場合に、マイクや歌詞カードを手渡し、又はカラオケ装置を作動させる行為
●いわゆるガールズバー、メイドカフェ等で、客にショーを見せたりゲーム大会に客を参加させたりせずに、単に飲食物の提供のみを行う行為
●ボーリングやビリヤードの設備を設けてこれを不特定の客に自由に使用させる行為
●バー等でスポーツ等の映像を単に不特定の客に見せる行為(客自身が応援等を行う場合を含む。)